本データベースは、関西大学なにわ大阪研究センターが所蔵する『摂津名所図会』九巻十二冊のうち、現在の大阪市域にあたる巻之一から巻之四を選び、祭礼・法会、信仰、民俗行事、興行、商業、産物、名勝などに関する挿絵106点を掲載し、項目を付して公開するものです。

『摂津名所図会』(秋里籬島著・竹原春朝斎ほか画。寛政8年〔1796〕・同10年〔1798〕)は、京都で出版された『都名所図会』(安永9年〔1780〕)に始まる「名所図会」シリーズの一書で、摂津国(現在の大阪府北部から兵庫県南東部にかけての地域)の名所を絵入りで紹介した、近世大坂を代表する地誌です。名所旧跡はもちろんのこと、祭礼・風俗習慣・特産物などについて、詩歌をまじえて平易に解説しており、現地取材に基づく細密かつ写実的な挿絵とあいまって、娯楽的な読み物として好評を博しました。また、案内書としての性格を有しており、享和元年(1801)に銅座詰として大坂に滞在していた大田南畝が、本書を携行して名所をめぐり歩いたことを『蘆の若葉』に記しています。

本データベースは、平成27年度関西大学創立130周年記念特別研究費(なにわ大阪研究)〔研究代表者:長谷洋一〕の研究成果の一環です。